第二編 会計帳簿 第三章 純資産 第八節 新株予約権

第二編 会計帳簿 第三章 純資産

第八節 新株予約権

第八十七条  株式会社が新株予約権を発行する場合には、当該新株予約権と引換えにされた金銭の払込みの金額、金銭以外の財産の給付の額又は当該株式会社に対する債権をもってされた相殺の額その他適切な価格を、増加すべき新株予約権の額とする。

2  前項に規定する「株式会社が新株予約権を発行する場合」とは、次に掲げる場合において新株予約権を発行する場合をいう。

一  法第二編第三章第二節 の定めるところにより募集新株予約権を引き受ける者の募集を行う場合
二  取得請求権付株式(法第百七条第二項第二号 ハ又はニに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得をする場合
三  取得条項付株式(法第百七条第二項第三号 ホ又はヘに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得をする場合
四  全部取得条項付種類株式(当該全部取得条項付種類株式を取得するに際して法第百七十一条第一項第一号 ハ又はニに掲げる事項についての定めをした場合における当該全部取得条項付種類株式に限る。)の取得をする場合
五  新株予約権無償割当てをする場合
六  取得条項付新株予約権(法第二百三十六条第一項第七号 ヘ又はトに掲げる事項についての定めがあるものに限る。)の取得をする場合
七  吸収合併後当該株式会社が存続する場合
八  吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継をする場合
九  株式交換による他の株式会社の発行済株式の全部の取得をする場合

3  新設合併、新設分割又は株式移転により設立された株式会社が設立に際して新株予約権を発行する場合には、当該新株予約権についての適切な価格を設立時の新株予約権の額とする。

4  次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める額を、減少すべき新株予約権の額とする。

一  株式会社が自己新株予約権の消却をする場合 当該自己新株予約権に対応する新株予約権の帳簿価額
二  新株予約権の行使又は消滅があった場合 当該新株予約権の帳簿価額

5  株式会社が当該株式会社の新株予約権を取得する場合には、その取得価額を、増加すべき自己新株予約権の額とする。

6  次の各号に掲げる自己新株予約権(当該新株予約権の帳簿価額を超える価額で取得するものに限る。)については、当該各号に定める価格を付さなければならない。

一  事業年度の末日における時価がその時の取得原価より著しく低い自己新株予約権(次号に掲げる自己新株予約権を除く。) イ又はロに掲げる額のうちいずれか高い額
 イ 当該事業年度の末日における時価
 ロ 当該自己新株予約権に対応する新株予約権の帳簿価額
二  処分しないものと認められる自己新株予約権 当該自己新株予約権に対応する新株予約権の帳簿価額

7  株式会社が自己新株予約権の処分若しくは消却をする場合又は自己新株予約権の消滅があった場合には、その帳簿価額を、減少すべき自己新株予約権の額とする。

8  第一項及び第三項から前項までの規定は、株式等交付請求権(新株予約権以外の権利であって、当該株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。以下この条において同じ。)について準用する。

9  募集株式を引き受ける者の募集に際して発行する株式又は処分する株式が株式等交付請求権の行使によって発行又は処分をする株式であるときにおける第三十七条第一項第一号の規定の適用については、同号中「掲げる額の合計額」とあるのは、「掲げる額及び第八十七条第八項に規定する株式等交付請求権の行使時における帳簿価額の合計額」とする。