第三編 計算関係書類 第一章 総則

会社計算規則 第三編 計算関係書類

   第一章 総則

    第一節 表示の原則

第八十九条  計算関係書類に係る事項の金額は、一円単位、千円単位又は百万円単位をもって表示するものとする。

2  計算関係書類は、日本語をもって表示するものとする。ただし、その他の言語をもって表示することが不当でない場合は、この限りでない。

3  計算関係書類(各事業年度に係る計算書類の附属明細書を除く。)の作成については、貸借対照表、損益計算書その他計算関係書類を構成するものごとに、一の書面その他の資料として作成をしなければならないものと解してはならない。

    第二節 株式会社の個別計算書類

(成立の日の貸借対照表)

第九十条  法第四百三十五条第一項 の規定により作成すべき貸借対照表は、株式会社の成立の日における会計帳簿に基づき作成しなければならない。

(各事業年度に係る計算書類)

第九十一条  法第四百三十五条第二項 に規定する法務省令で定めるものは、この編の規定に従い作成される株主資本等変動計算書及び個別注記表とする。

2  各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書の作成に係る期間は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から当該事業年度の末日までの期間とする。この場合において、当該期間は、一年(事業年度の末日を変更する場合における変更後の最初の事業年度については、一年六箇月)を超えることができない。

3  法第四百三十五条第二項 の規定により作成すべき各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書は、当該事業年度に係る会計帳簿に基づき作成しなければならない。

(臨時計算書類)

第九十二条  臨時計算書類の作成に係る期間(次項において「臨時会計年度」という。)は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から臨時決算日までの期間とする。

2  臨時計算書類は、臨時会計年度に係る会計帳簿に基づき作成しなければならない。

3  株式会社が臨時計算書類を作成しようとする場合において、当該株式会社についての最終事業年度がないときは、当該株式会社の成立の日から最初の事業年度が終結する日までの間、当該最初の事業年度に属する一定の日を臨時決算日とみなして、法第四百四十一条 の規定を適用することができる。

    第三節 株式会社の連結計算書類

(連結計算書類)

第九十三条  法第四百四十四条第一項 に規定する法務省令で定めるものは、この編の規定に従い作成される次に掲げるものとする。

一  連結貸借対照表
二  連結損益計算書
三  連結株主資本等変動計算書
四  連結注記表

(連結会計年度)

第九十四条  各事業年度に係る連結計算書類の作成に係る期間(以下この編において「連結会計年度」という。)は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から当該事業年度の末日までの期間とする。

(連結の範囲)

第九十五条  株式会社は、そのすべての子会社を連結の範囲に含めなければならない。ただし、次のいずれかに該当する子会社は、連結の範囲に含めないものとする。
一  財務及び事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。)に対する支配が一時的であると認められる子会社
二  連結の範囲に含めることにより当該株式会社の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる子会社

2  前項の規定により連結の範囲に含めるべき子会社のうち、その資産、売上高等からみて、連結の範囲から除いてもその企業集団の財産及び損益の状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性の乏しいものは、連結の範囲から除くことができる。

(事業年度に係る期間の異なる子会社)

第九十六条  株式会社の事業年度の末日と異なる日をその事業年度の末日とする連結子会社は、当該株式会社の事業年度の末日において、連結計算書類の作成の基礎となる計算書類を作成するために必要とされる決算を行わなければならない。ただし、当該連結子会社の事業年度の末日と当該株式会社の事業年度の末日との差異が三箇月を超えない場合において、当該連結子会社の事業年度に係る計算書類を基礎として連結計算書類を作成するときは、この限りでない。

2  前項ただし書の規定により連結計算書類を作成する場合には、連結子会社の事業年度の末日と当該株式会社の事業年度の末日が異なることから生ずる連結会社相互間の取引に係る会計記録の重要な不一致について、調整をしなければならない。

(連結貸借対照表)

第九十七条  連結貸借対照表は、株式会社の連結会計年度に対応する期間に係る連結会社の貸借対照表(連結子会社が前条第一項本文の規定による決算を行う場合における当該連結子会社の貸借対照表については、当該決算に係る貸借対照表)の資産、負債及び純資産の金額を基礎として作成しなければならない。この場合においては、連結会社の貸借対照表に計上された資産、負債及び純資産の金額を、連結貸借対照表の適切な項目に計上することができる。

(連結損益計算書)

第九十八条  連結損益計算書は、株式会社の連結会計年度に対応する期間に係る連結会社の損益計算書(連結子会社が第九十六条第一項本文の規定による決算を行う場合における当該連結子会社の損益計算書については、当該決算に係る損益計算書)の収益若しくは費用又は利益若しくは損失の金額を基礎として作成しなければならない。この場合においては、連結会社の損益計算書に計上された収益若しくは費用又は利益若しくは損失の金額を、連結損益計算書の適切な項目に計上することができる。

(連結株主資本等変動計算書)

第九十九条  連結株主資本等変動計算書は、株式会社の連結会計年度に対応する期間に係る連結会社の株主資本等変動計算書(連結子会社が第九十六条第一項本文の規定による決算を行う場合における当該連結子会社の株主資本等変動計算書については、当該決算に係る株主資本等変動計算書)の株主資本等(株主資本その他の会社等の純資産をいう。以下この条において同じ。)を基礎として作成しなければならない。この場合においては、連結会社の株主資本等変動計算書に表示された株主資本等に係る額を、連結株主資本等変動計算書の適切な項目に計上することができる。

(連結子会社の資産及び負債の評価等)

第百条  連結計算書類の作成に当たっては、連結子会社の資産及び負債の評価並びに株式会社の連結子会社に対する投資とこれに対応する当該連結子会社の資本との相殺消去その他必要とされる連結会社相互間の項目の相殺消去をしなければならない。

(持分法の適用)

第百一条  非連結子会社及び関連会社に対する投資については、持分法により計算する価額をもって連結貸借対照表に計上しなければならない。ただし、次のいずれかに該当する非連結子会社及び関連会社に対する投資については、持分法を適用しないものとする。

一  財務及び事業の方針の決定に対する影響が一時的であると認められる関連会社
二  持分法を適用することにより株式会社の利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる非連結子会社及び関連会社

2  前項の規定により持分法を適用すべき非連結子会社及び関連会社のうち、その損益等からみて、持分法の対象から除いても連結計算書類に重要な影響を与えないものは、持分法の対象から除くことができる。

    第四節 持分会社の個別計算書類

(成立の日の貸借対照表)

第百二条  法第六百十七条第一項 の規定により作成すべき貸借対照表は、持分会社の成立の日における会計帳簿に基づき作成しなければならない。

(各事業年度に係る計算書類)

第百三条  法第六百十七条第二項 に規定する法務省令で定めるものは、次の各号に掲げる持分会社の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。

一  合名会社及び合資会社 当該合名会社及び合資会社が損益計算書、社員資本等変動計算書又は個別注記表の全部又は一部をこの編の規定に従い作成するものと定めた場合におけるこの編の規定に従い作成される損益計算書、社員資本等変動計算書又は個別注記表
二  合同会社 この編の規定に従い作成される損益計算書、社員資本等変動計算書及び個別注記表

2  各事業年度に係る計算書類の作成に係る期間は、当該事業年度の前事業年度の末日の翌日(当該事業年度の前事業年度がない場合にあっては、成立の日)から当該事業年度の末日までの期間とする。この場合において、当該期間は、一年(事業年度の末日を変更する場合における変更後の最初の事業年度については、一年六箇月)を超えることができない。

3  法第六百十七条第二項 の規定により作成すべき各事業年度に係る計算書類は、当該事業年度に係る会計帳簿に基づき作成しなければならない。