第七編 株式会社の計算に係る計数等に関する事項 第六章 分配可能額

第七編 株式会社の計算に係る計数等に関する事項

第六章 分配可能額

(臨時計算書類の利益の額)

第百八十四条  法第四百六十一条第二項第二号 イに規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、次に掲げる額の合計額とする。

一  臨時計算書類の損益計算書に計上された当期純損益金額(零以上の額に限る。)
二  第四十四条の規定により増加したその他資本剰余金の額

(臨時計算書類の損失の額)

第百八十五条  法第四百六十一条第二項第五号 に規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、零から臨時計算書類の損益計算書に計上された当期純損益金額(零未満の額に限る。)を減じて得た額とする。

(その他減ずるべき額)
第百八十六条  法第四百六十一条第二項第六号 に規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、第一号から第八号までに掲げる額の合計額から第九号及び第十号に掲げる額の合計額を減じて得た額とする。

一  最終事業年度(法第四百六十一条第二項第二号 に規定する場合にあっては、法第四百四十一条第一項第二号 の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの)。以下この号、次号、第三号、第六号ハ、第八号イ及び第九号において同じ。)の末日(最終事業年度がない場合(法第四百六十一条第二項第二号 に規定する場合を除く。)にあっては、成立の日。以下この号、次号、第三号、第六号ハ、第八号イ及び第九号において同じ。)におけるのれん等調整額(資産の部に計上したのれんの額を二で除して得た額及び繰延資産の部に計上した額の合計額をいう。以下この号及び第四号において同じ。)が次のイからハまでに掲げる場合に該当する場合における当該イからハまでに定める額

イ 当該のれん等調整額が資本等金額(最終事業年度の末日における資本金の額及び準備金の額の合計額をいう。以下この号において同じ。)以下である場合 零
ロ 当該のれん等調整額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額以下である場合(イに掲げる場合を除く。) 当該のれん等調整額から資本等金額を減じて得た額
ハ 当該のれん等調整額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額を超えている場合 次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める額
(1) 最終事業年度の末日におけるのれんの額を二で除して得た額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額以下の場合 当該のれん等調整額から資本等金額を減じて得た額
(2) 最終事業年度の末日におけるのれんの額を二で除して得た額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額を超えている場合 最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額及び繰延資産の部に計上した額の合計額

二  最終事業年度の末日における貸借対照表のその他有価証券評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)を零から減じて得た額

三  最終事業年度の末日における貸借対照表の土地再評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)を零から減じて得た額

四  株式会社が連結配当規制適用会社であるとき(第二条第三項第七十二号のある事業年度が最終事業年度である場合に限る。)は、イに掲げる額からロ及びハに掲げる額の合計額を減じて得た額(当該額が零未満である場合にあっては、零)
イ 最終事業年度の末日における貸借対照表の(1)から(3)までに掲げる額の合計額から(4)に掲げる額を減じて得た額
(1) 株主資本の額
(2) その他有価証券評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)
(3) 土地再評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)
(4) のれん等調整額(当該のれん等調整額が資本金の額、資本剰余金の額及び利益準備金の額の合計額を超えている場合にあっては、資本金の額、資本剰余金の額及び利益準備金の額の合計額)
ロ 最終事業年度の末日後に子会社から当該株式会社の株式を取得した場合における当該株式の取得直前の当該子会社における帳簿価額のうち、当該株式会社の当該子会社に対する持分に相当する額
ハ 最終事業年度の末日における連結貸借対照表の(1)から(3)までに掲げる額の合計額から(4)に掲げる額を減じて得た額
(1) 株主資本の額
(2) その他有価証券評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)
(3) 土地再評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)
(4) のれん等調整額(当該のれん等調整額が資本金の額及び資本剰余金の額の合計額を超えている場合にあっては、資本金の額及び資本剰余金の額の合計額)

五  最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、成立の日。第七号及び第十号において同じ。)後に二以上の臨時計算書類を作成した場合における最終の臨時計算書類以外の臨時計算書類に係る法第四百六十一条第二項第二号 に掲げる額(同号 ロに掲げる額のうち、吸収型再編受入行為及び特定募集(次の要件のいずれにも該当する場合におけるロの募集をいう。以下この条において同じ。)に際して処分する自己株式に係るものを除く。)から同項第五号 に掲げる額を減じて得た額
イ 最終事業年度の末日後に法第百七十三条第一項 の規定により当該株式会社の株式の取得(株式の取得に際して当該株式の株主に対してロの募集により当該株式会社が払込み又は給付を受けた財産のみを交付する場合における当該株式の取得に限る。)をすること。
ロ 法第二編第二章第八節 の規定によりイの株式(当該株式の取得と同時に当該取得した株式の内容を変更する場合にあっては、当該変更後の内容の株式)の全部又は一部を引き受ける者の募集をすること。
ハ イの株式の取得に係る法第百七十一条第一項第三号 の日とロの募集に係る法第百九十九条第一項第四号 の期日が同一の日であること。

六  三百万円に相当する額から次に掲げる額の合計額を減じて得た額(当該額が零未満である場合にあっては、零)
イ 資本金の額及び準備金の額の合計額
ロ 新株予約権の額
ハ 最終事業年度の末日の貸借対照表の評価・換算差額等の各項目に計上した額(当該項目に計上した額が零未満である場合にあっては、零)の合計額

七  最終事業年度の末日後株式会社が吸収型再編受入行為又は特定募集に際して処分する自己株式に係る法第四百六十一条第二項第二号 ロに掲げる額

八  次に掲げる額の合計額
イ 最終事業年度の末日後に第四十四条の規定により増加したその他資本剰余金の額
ロ 最終事業年度がない株式会社が成立の日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額

九  最終事業年度の末日後に株式会社が当該株式会社の株式を取得した場合(法第百五十五条第十二号 に掲げる場合以外の場合において、当該株式の取得と引換えに当該株式の株主に対して当該株式会社の株式を交付するときに限る。)における当該取得した株式の帳簿価額から次に掲げる額の合計額を減じて得た額
イ 当該取得に際して当該取得した株式の株主に交付する当該株式会社の株式以外の財産(社債等(自己社債及び自己新株予約権を除く。ロにおいて同じ。)を除く。)の帳簿価額
ロ 当該取得に際して当該取得した株式の株主に交付する当該株式会社の社債等に付すべき帳簿価額

十  最終事業年度の末日後に株式会社が吸収型再編受入行為又は特定募集に際して処分する自己株式に係る法第四百六十一条第二項第四号 (最終事業年度がない場合にあっては、第八号)に掲げる額

(剰余金の配当等に関して責任をとるべき取締役等)

第百八十七条  法第四百六十二条第一項 各号列記以外の部分に規定する法務省令で定めるものは、次の各号に掲げる行為の区分に応じ、当該各号に定める者とする。

一  法第四百六十一条第一項第一号 に掲げる行為 次に掲げる者
イ 株式の買取りによる金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役
ロ 法第百四十条第二項 の株主総会において株式の買取りに関する事項について説明をした取締役及び執行役
ハ 分配可能額の計算に関する報告を監査役(監査委員会を含む。以下この条において同じ。)又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役

二  法第四百六十一条第一項第二号 に掲げる行為 次に掲げる者
イ 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役
ロ 法第百五十六条第一項 の規定による決定に係る株主総会において株式の取得に関する事項について説明をした取締役及び執行役
ハ 法第百五十六条第一項 の規定による決定に係る取締役会において株式の取得に賛成した取締役
ニ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役

三  法第四百六十一条第一項第三号 に掲げる行為 次に掲げる者
イ 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役
ロ 法第百五十七条第一項 の規定による決定に係る株主総会において株式の取得に関する事項について説明をした取締役及び執行役
ハ 法第百五十七条第一項 の規定による決定に係る取締役会において株式の取得に賛成した取締役
ニ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役

四  法第四百六十一条第一項第四号 に掲げる行為 次に掲げる者
イ 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役
ロ 法第百七十一条第一項 の株主総会において株式の取得に関する事項について説明をした取締役及び執行役
ハ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役

五  法第四百六十一条第一項第五号 に掲げる行為 次に掲げる者
イ 株式の買取りによる金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役
ロ 法第百七十五条第一項 の株主総会において株式の買取りに関する事項について説明をした取締役及び執行役
ハ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役

六  法第四百六十一条第一項第六号 に掲げる行為 次に掲げる者
イ 株式の買取りによる金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役
ロ 法第百九十七条第三項 後段の規定による決定に係る株主総会において株式の買取りに関する事項について説明をした取締役及び執行役
ハ 法第百九十七条第三項 後段の規定による決定に係る取締役会において株式の買取りに賛成した取締役
ニ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役

七  法第四百六十一条第一項第七号 に掲げる行為 次に掲げる者
イ 株式の買取りによる金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役
ロ 法第二百三十四条第四項 後段(法第二百三十五条第二項 において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会において株式の買取りに関する事項について説明をした取締役及び執行役
ハ 法第二百三十四条第四項 後段(法第二百三十五条第二項 において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会において株式の買取りに賛成した取締役
ニ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役

八  法第四百六十一条第一項第八号 に掲げる行為 次に掲げる者
イ 剰余金の配当による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役
ロ 法第四百五十四条第一項 の規定による決定に係る株主総会において剰余金の配当に関する事項について説明をした取締役及び執行役
ハ 法第四百五十四条第一項 の規定による決定に係る取締役会において剰余金の配当に賛成した取締役
ニ 分配可能額の計算に関する報告を監査役又は会計監査人が請求したときは、当該請求に応じて報告をした取締役及び執行役

九  法第百十六条第一項 各号の行為に係る同項 の規定による請求に応じてする株式の取得 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び次のイからニまでに掲げる行為の区分に応じ、当該イからニまでに定める者
イ その発行する全部の株式の内容として法第百七条第一項第一号 に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 次に掲げる者
(1) 株主総会に当該定款の変更に関する議案を提案した取締役
(2) (1)の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。)
(3) (1)の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役
ロ ある種類の株式の内容として法第百八条第一項第四号 又は第七号 に掲げる事項についての定めを設ける定款の変更 次に掲げる者
(1) 株主総会に当該定款の変更に関する議案を提案した取締役
(2) (1)の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。)
(3) (1)の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役
ハ 法第百十六条第一項第三号 に規定する場合における同号 イからハまで及びヘに掲げる行為 次に掲げる者
(1) 当該行為が株主総会の決議に基づいて行われたときは、当該株主総会に当該行為に関する議案を提案した取締役
(2) (1)の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。)
(3) (1)の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役
(4) 当該行為が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会において当該行為に賛成した取締役
ニ 法第百十六条第一項第三号 に規定する場合における同号 ニ及びホに掲げる行為 次に掲げる者
(1) 当該行為に関する職務を行った取締役及び執行役
(2) 当該行為が株主総会の決議に基づいて行われたときは、当該株主総会に当該行為に関する議案を提案した取締役
(3) (2)の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。)
(4) (2)の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役
(5) 当該行為が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役

十  法第四百六十五条第一項第四号 に掲げる行為 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役

十一  法第四百六十五条第一項第五号 に掲げる行為 次に掲げる者
イ 株式の取得による金銭等の交付に関する職務を行った取締役及び執行役
ロ 法第百七条第二項第三号 イの事由が株主総会の決議に基づいて生じたときは、当該株主総会に当該行為に関する議案を提案した取締役
ハ ロの議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。)
ニ ロの議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役
ホ 法第百七条第二項第三号 イの事由が取締役会の決議に基づいて生じたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役

第百八十八条  法第四百六十二条第一項第一号 イに規定する法務省令で定めるものは、次に掲げる者とする。

一  株主総会に議案を提案した取締役
二  前号の議案の提案の決定に同意した取締役(取締役会設置会社の取締役を除く。)
三  第一号の議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会において当該取締役会の決議に賛成した取締役

第百八十九条  法第四百六十二条第一項第一号 ロに規定する法務省令で定めるものは、取締役会に議案を提案した取締役及び執行役とする。